ベッティングガイド

マルチベット(アキュムレーター)の仕組み:オッズは掛け算でも、価値はそうならない理由

マルチベットは、世界でいちばん売りやすい賭けだ。2.00倍の選択を5つ重ねれば10ユーロが320ユーロになり、伝票は「多少は自分で操れる宝くじ」のように見える。

オッズが本当にそう掛け算されるのは事実だ。同じく掛け算で増えるのに、伝票に決して現れないものがある——ブックメーカーのマージンだ。

マージンはどこに隠れているか

どの価格にも取り分が含まれている。公平なコイン投げなら両面とも2.00のはずだが、ブックメーカーは1.95と1.95で提示する。この差がマージンで、ここでは片側およそ2.5%だ。

1つの選択ならその取り分を1回払う。5つ重ねれば5回払う。どの選択の価格にも、最初からそれぞれのマージンが織り込まれているからだ。

5つの選択で実際にいくら取られるか

各選択のマージンが5%なら、1選択ごとに公正価値の95%しか残らない。5選択なら0.95を5回掛けて0.774。キックオフ前に、すでに22.6%が差し引かれている。

選択数残る価値実効マージン
195.0%5.0%
290.3%9.7%
385.7%14.3%
481.5%18.5%
577.4%22.6%

法則:マルチベットのマージンは「1 −(1 − 1選択あたりのマージン)の選択数乗」。1選択5%なら、5選択で22.6%——スロット1回転の5倍以上のコストになる。

だから5連のマルチは、単勝の5倍難しいのではなく、5倍高くつく。同じ10ユーロを5つのシングルベットに分ければ、マージンは賭けごとに1回ずつしか払わず、資金がまとめてリスクにさらされることもない。

誰もしない比較

カジノゲームと並べると、この数字は急に具体的になる。RTP96%のスロットのハウスエッジは1回転あたり4%。サッカーの標準的なマージンで組んだ5選択のマルチは、その1回の賭けに対して実効でおよそ20〜25%のエッジになる。

どちらの数字も今夜の結果は教えてくれない。どちらもシーズンを通して何が起きるかを示し、4と23の差は丸め誤差ではない。ハウスエッジになじみがなければ、RTPとハウスエッジの解説でその出どころを説明している。

それでもマルチベットが成り立つ場合

正直なケースは2つ。1つ目は娯楽として——小さな賭け金で、投資ではなく土曜の午後の楽しみとして意図的に大穴を買う場合。2つ目は全選択に本物のエッジがある場合——きわめて稀で、もしあるならシングルベットの方が効率よく積み上げられる。

意味がないのは、切りのいい数字にするために気乗りしない5つ目を足すことだ。その1つはマージンを丸ごと課金し、すでに4回難しくした賭けにコイン投げを1枚追加するだけだ。

置く前に

各選択のマージンを確かめよう。市場の全結果のインプライド確率を合計し、100%をどれだけ超えるかを見る。そのうえで、それぞれをシングルベットとして置くかを自問する。1つでも答えがノーなら、その選択は飾りだ。

キャッシュアウト、マルチ保険、オッズブーストはこの計算を変える。ときに有利にも働くが、マージンを打ち消すと思い込む前に、実際にいくら戻るかを読むこと——たいていは一部が返ってくるだけだ。

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